労災保険特別加入と海外派遣者
今や、日本はグローバル社会です。
日本の会社でも海外に駐在することも少なくはありません。
特に、大手ゼネコンなどで海外で巨大プロジェクトに携わる場合、長期間にわたって日本にかえってこられないことも珍しくはありません。
日本の建設現場は、世界有数の安全性を誇っていますが、海外ではまだまだそういったところは多くありません。
怪我をするリスクは日本よりも高いかもしれません。
その一方で、日本の健康保険は海外では適用されませんので、怪我をした際の治療費は馬鹿になりません。
労災保険があるじゃないかと考える人もいますが、日本の労災保険は原則として日本国内を対象としています。
短期間の出張や商談、市場調査やトラブル対応などであれば、「海外出張」と言う扱いになり、労災保険の適用となります。
一方、海外の事業所や支店への出向や転勤、海外で工事に携わる場合には「海外出張」ではなく「海外派遣」となります。
海外派遣では労災保険は使えないのです。
そんな海外派遣でも労災保険の適用を受けるためには、労災保険特別加入をする必要があります。
労災保険特別加入をしておけば、海外派遣の方でも安心して治療を受けることができます。
ただし、すべての海外派遣の人が労災保険特別加入に加入できるわけではありません。
企業単位で審査をするのですが、海外派遣先の労働者数が一定以上を越えてしまうと、労災保険特別加入はできないのです。
金融業などでしたら50人以下、サービス業でしたら100人以下、建設業でしたら300人以下となります。