労災保険特別加入の範囲
労働局の事務組合室というところに勤めていたことがあります。
労災保険に特別加入するためには労働保険事務組合に事務委託をすることが必要になります。
その労働保険事務組合が書類を提出する先が労働局の事務組合室なのです。
しかし、そこでよく労働保険事務組合から来る「特別加入できますか」という質問が非常に返答に困りました。
それはとても一口では返せない質問だからです。
その会社の事業主であればもちろん特別加入することで問題ないのですが。
家族経営の場合の息子となってくると話は難しくなります。役員になってれば、役員報酬を受けているので「賃金を支払われるもの」という労災保険上の「労働者」の定義から外れるので、特別加入する範囲のものとして間違いないです。
しかし、役員ではない、給料で払っている、としてあとは勤務上の扱いが他の従業員と一緒かどうかとういうところがポイントになってきます。
具体的にはタイムカードで勤務時間の管理をされているか、休みも他の社員と同様に有給としての扱いをしているのかどうか。
実際に息子さんも働いている場合、息子さんはタイムカードがないとか、用事があれば特に有給がなくても賃金は引かずに休ませているとか特別な扱いが多かったりします。
これは特別加入すべきかどうかというところはそのあたりの勤怠管理や賃金の支払い状況を詳しく聞いて判断するしかありません。
しかも、こちらは役所側として答えなければならない立場なので「わかりません」とは言えず、複雑な状況の場合は内容をよく聞いてから上司などに聞いてよく相談してから答えを再度連絡するというかたちになります。
労災の特別加入の範囲の話は本当にややこしく、難しい問題なのです。